発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006105433
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70歳男性.患者は12年前に右自然気胸で胸腔ドレナージを施行し軽快した既往があった.今回,呼吸困難で受診し,X線で右肺尖部の肺嚢胞と自然気胸の再発を認め入院となった.CTで右肺尖部と右S6に肺嚢胞を認め,胸腔ドレナージの持続吸引で軽度の気漏を認めた.ドレナージ後の高分解能CTでは左肺にも肺嚢胞を認め,造影CTでは右肺動脈の途絶・欠損を疑い,左下葉動脈の拡張を認めた.心カテーテル検査では肺動脈造影像上,右肺動脈の途絶を認め,肺血流シンチグラムで右肺の血流消失を認めた.12年前のX線像との比較で心胸郭比(CTR)の増大と左右胸郭の比較で右肺面積の明らかな縮小を認めた.全身状態は良好のため手術適応とし,胸腔鏡補助下にS6およびS1~2の肺嚢胞を切除した.術後は経過順調で,術後9日目には退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2006