発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036382
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57歳男性.患者はライフル銃の手入れ中に誤って発砲した銃弾が左胸部を貫通し,救急搬入された.左前胸部と左背部に熱症を伴う径1cmの銃弾の穿通孔を認め,大量出血であった.X線では左下肺野の透過性低下を認め,CTでは左前胸部の皮膚軟部組織欠損,左第8肋骨背側部粉砕骨折,舌区から左S8,9区域にかけての境界不明瞭な浸潤影,左側胸腔内胸水貯留を認めた.胸腔ドレナージ,酸素投与,輸液を行い,翌日に胸腔鏡下に手術を行った.舌区とS8,9区域にかけての肺内血腫は穿痛孔を閉鎖して空気漏出を認めず,穿通入口部の胸膜肺損傷は軽度で修復不要であったが,出口部は開口しており縫合閉鎖した.第8肋骨粉砕骨折部からの持続性出血と骨片の胸腔内突出は骨片除去後に出血部を焼灼止血した.術後は合併症なく17日目に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005