発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006128216
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2002~2004年に肺癌切除を行い,病理組織学的に多形癌と診断された8例(平均66.5歳)を対象に,臨床病理学的因子及び予後について検討を行った.自覚症状がアテレック錠5例にあり,血痰3例,咳・痰1例,背部痛1例であった.胸部単純X線像では7例が比較的境界明瞭な腫瘤影を示し,1例で境界が不明瞭であった.7例が肺野末梢型で1例が中枢型であった.腫瘍倍加時間は平均52日であり,CT上肺門部リンパ節腫脹を4例に認めた.全例に手術を施行し,2例が非完全切除であった.病理病期はIB期2例,IIIA期3例,IIIB期3例であった.全例で術前に生検を行い,腫瘍成分を採取できた6例のうち2例で多形癌を疑ったが,後方視的には4例で紡錘細胞成分を認めた.周囲組織への浸潤は5例に,同肺葉内転移を2例に,胸腔内播種を2例に認め,肺門リンパ節転移を1例に,縦隔リンパ節転移を2例に認めた.全例で紡錘細胞成分を認め,壊死組織は7割に認め,巨細胞成分は2例に認めた.3例は術後早期に死亡し,再発巣に対する化学療法を4例に行った.2例は現時点で無再発生存中であり,1例は担癌生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006