発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006036380
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81歳男性.患者は咳嗽,呼吸困難で前医に左自然気胸と診断され紹介受診となった.X線では左肺の完全虚脱と気胸,右上肺野の肺炎像を認め,重症再膨張性肺水腫(RPE)発症を予想してmethylprednisoloneを前投与し持続胸腔ドレナージを開始した.しかし,ドレナージ後,肺の拡張・透過性とも良好であったが,4時間後に呼吸困難,咳嗽,Spo2の急激な低下が出現し,X線で左肺野全体の著明な透過性低下を認め,重症のRPEと診断した.直ちに気管内挿管して人工呼吸器を装着し,sivelestat sodium hydrateの持続静注,ulinastatin投与,ステロイドパルス療法を行った.血液ガス分析所見は速やかな改善傾向を示し,X線でも左肺の透過性は徐々に改善して第6病日目に人工呼吸器から離脱した.尚,その後も気漏が持続したが,OK-432(5KE)胸腔内投与の胸膜癒着療法で治癒し,第44病日目に退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2005