発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004184
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症例1は67歳女性で,前胸部腫瘤を主訴に近医を受診した.経皮針生検にて軟骨骨肉腫と診断され手術目的で紹介入院となった.入院時,胸部CTにて胸骨左縁に接して3.0×2.2cm大の腫瘤を認め,一部胸骨は腫瘍による侵食が疑われたが,遠隔転移を示す所見は認めなかった.手術では前胸壁切除術(第2~5肋骨+胸骨部分切除)を施行し,欠損部はMarlexメッシュで挟みこみ再建した.症例2は68歳女性で,胸背部痛を主訴に紹介入院となり,胸部CTにて第3肋骨後方から椎体に接する径3cm大の腫瘤を認め,肋骨は一部骨破壊像を呈していた.手術では第3肋骨を腫瘍と共に肋間筋を含めて広範囲に切除し椎体も一部合併切除した.切除標本の病理組織学的所見では2症例とも中等度の核異型を呈し,軟骨肉腫grade IIと診断され,症例1は術後8年8ヵ月・症例2は術後4年2ヵ月を無再発にて経過している.以上より,本疾患は腫瘍の外科的完全切除が重要であるものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005