発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011292646
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74歳男。54歳時に膿胸で胸腔ドレナージを施行され、以後ドレナージチューブ交換のため定期的に通院していた。今回、胸痛が出現して胸部CTで左胸壁腫瘍(8.0×5.5cm)を指摘され、穿刺針生検で扁平上皮癌と診断され入院した。入院時検査所見では貧血、CRP上昇、腫瘍マーカーSCCの軽度上昇、呼吸機能で拘束性障害を認めた。胸壁腫瘍切除術を施行し、術中所見で胸膜播種、横隔膜への浸潤を認め非治癒切除となった。術後放射線療法(60Gy)を追加したが、全身状態が悪化して2ヵ月後に死亡した。病理組織所見では角化の目立つ異型な扁平上皮細胞からなる細胞巣の形成がみられ、乳頭状の増殖も認めた。また、癌が筋・骨を破壊し侵食するような増殖箇所も存在した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011