発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004185
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34歳男.3年前に急性リンパ性白血病にて化学療法+骨髄移植を受け,入院中に心筋梗塞を併発したが保存的に加療された.白血病治療後は慢性的な全身倦怠感を自覚,今回心エコーにて右房から右室にかけて最大径6cm大の腫瘤を指摘され心臓腫瘍の診断にて紹介入院となった.入院時検査所見では軽度の炎症反応を認め,胸部造影CTにて右房から右室の外側に67×30mm大の低吸収域の腫瘤と冠状動脈造影にて左前下行枝#7の閉塞を認め,心臓腫瘍の診断にて手術適応と判断された.術中所見では腫瘤は右房から右室前面に存在し,心膜右方から壁側胸膜と一塊になり,横隔膜とも癒着していた.腫瘤前面組織の病理検査で膿瘍を伴う炎症性線維組織と診断されたため,心膜右方と壁側胸膜を腫瘤とともに切離し右房と右室,腫瘤間を剥離し,右冠状動脈周辺を剥離して腫瘤を摘出後に1枝冠状動脈バイパス術を施行した.摘出標本の病理組織学的所見によりAspergillus心膜膿瘍と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2005