胸壁・横隔膜の手術-その1 外科治療と成績
胸壁腫瘍の外科治療
富樫 賢一
1
,
大和 靖
,
北原 哲彦
1長岡赤十字病院 呼吸器外科
キーワード:
胸部外科
,
胸部腫瘍
,
形質細胞腫
,
脂肪腫
,
神経組織腫瘍
,
軟骨肉腫
,
後向き研究
,
治療成績
,
胸壁
,
腫瘍悪性度
Keyword:
Chondrosarcoma
,
Lipoma
,
Neoplasms, Nerve Tissue
,
Plasmacytoma
,
Retrospective Studies
,
Thoracic Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Thoracic Surgical Procedures
,
Thoracic Wall
,
Neoplasm Grading
pp.27-30
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014106925
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1981年~2012年の間に手術を行った全胸壁腫瘍46例(男性29例、女性17例、手術時年齢15~77歳、平均年齢49歳)を対象に、これらを原発性悪性腫瘍、原発性良性腫瘍、転移性腫瘍に分けて検討した。その結果、1)原発性悪性腫瘍は17例(男性12例、女性5例、手術時年齢24~76歳、平均年齢50歳)で、発見動機は疼痛が8例、健診または他疾患時が7例、胸部腫瘤が2例であった。全例が悪性の疑いで手術適応とされ、術中迅速病理診断にて悪性の場合は一塊として切除された。その際、胸骨切除は1例、肋骨切除は16例で行われ、合併切除は肺4例、横隔膜2例、椎体1例、鎖骨1例であった。術後の病理診断は骨髄腫と軟骨肉腫が各4例、骨肉腫が3例、平滑筋肉腫と線維肉腫が各2例、血管肉腫と悪性線維性組織球腫が各1例であった。2)原発性良性腫瘍は22例(男性13例、女性9例、年齢15~75歳、平均年齢43歳)で、発見動機は健診が20例、疼痛と胸部腫瘤が各1例であった。また、神経原性腫瘍と脂肪腫の19例中18例は腫瘍摘出のみであった。3)転移性腫瘍は7例(男性4例、女性3例、年齢35~77歳、平均年齢61歳)でみられた。うち肝癌、胸腺腫、胸腺癌、子宮癌の4症例では単発の肋骨転移が疑われ、残る原因不明の3例は原発性悪性胸壁腫瘍を疑い手術が行われた。尚、未分化癌転移の1例は術後照射により3年生存したが、残る6例は全て1年以内に原病死していた。
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