胸壁・横隔膜の手術-その1 外科治療と成績
胸壁腫瘍手術の切除縁と手術成績
前田 寿美子
1
,
山田 剛裕
,
渡邉 龍秋
,
新井川 弘道
,
佐渡 哲
,
野田 雅史
,
櫻田 晃
,
星川 康
,
遠藤 千顕
,
岡田 克典
,
近藤 丘
1東北大学病院 呼吸器外科
キーワード:
Ewing肉腫
,
胸部外科
,
胸部腫瘍
,
軟骨肉腫
,
末梢神経系腫瘍
,
後向き研究
,
治療成績
,
胸壁
Keyword:
Chondrosarcoma
,
Peripheral Nervous System Neoplasms
,
Retrospective Studies
,
Sarcoma, Ewing
,
Thoracic Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Thoracic Surgical Procedures
,
Thoracic Wall
pp.15-20
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014106923
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2000年10月~2013年5月の間に手術を施行した胸壁腫瘍80例を対象に臨床病理学的特徴と転帰について後方視的に検討した。その結果、原発性良性-良悪性中間腫瘍は32例(男性15例、女性17例、年齢7~90歳、平均年齢42歳)で、組織型は神経線維腫8例、脂肪腫とデスモイド腫瘍が各4例、線維性形成腫瘍と骨軟骨腫が各3例、軟骨腫と脈瘤性骨嚢胞が各2例ほか、血管腫、血管脂肪腫、巨細胞腫、顆粒細胞腫、炎症性偽腫瘍が各1例であった。手術は良性腫瘍の主に脂肪腫と神経鞘腫を含む13例には骨性胸郭の切除を伴わない腫瘍摘出術が行われ、19例には肋骨切除を基本とする骨性胸郭切除が行われた。一方、原発性悪性腫瘍は25例(男性12例、女性13例、年齢15~73歳、平均年齢49歳)で、組織型は軟骨肉腫11例、悪性末梢神経鞘腫とEwing肉腫が各4例、脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫、線維肉腫、悪性リンパ腫、腺癌が各1例であった。手術は骨性胸郭の切除を伴わない腫瘍切除術を行ったのは3例のみで、骨性胸郭切除を行った22例中18例では複数の肋骨切除を要した。尚、再発・転移性腫瘍は23例(男性12例、女性11例、年齢16~80歳、平均年齢57歳)で、良性腫瘍4例、悪性腫瘍19例であり、手術では肋骨1本の切除が8例、2本が6例と原発性悪性腫瘍に比べて小範囲の切除にとどまっていた。
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