臨床経験
胸壁軟骨肉腫に対して多穴性チタンプレートとメッシュ材のサンドイッチ法を用いた胸壁再建
遠藤 誠
1
,
大泉 弘幸
,
加藤 博久
,
鈴木 潤
,
渡會 光
,
濱田 顕
,
鈴木 克幸
,
高橋 愛
,
中橋 健太
,
菅原 正登
,
土屋 登嗣
,
貞弘 光章
1山形大学
キーワード:
Titanium
,
胸部外科
,
胸部腫瘍
,
外科用メッシュ
,
軟骨肉腫
,
胸部CT
Keyword:
Chondrosarcoma
,
Thoracic Neoplasms
,
Surgical Mesh
,
Thoracic Surgical Procedures
,
Titanium
pp.511-515
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339092
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は74歳男性で、右胸部腫脹と疼痛で近医整形外科のCTにて右第6肋骨由来の胸壁悪性腫瘍が疑われ、生検で軟骨肉腫の診断で紹介入院した。X線で右下胸壁に第5~7肋骨腹側の陰影消失を伴う粗大な腫瘤影を認め、CTで右第6肋骨遠位部に10×9×9cm大の骨破壊を伴う隆起性溶骨性病変が第5~7肋骨を巻き込み、横隔膜に接していた。右第6肋骨原発の軟骨肉腫の診断で軟部腫瘍と胸壁合併切除術、胸壁再建術を行った。軟部腫瘍と前鋸筋、大胸筋、広背筋を切除し、新たな胸壁のskip lesionを認めて第3~8肋骨、右肋骨弓、横隔膜合併切除を追加した。胸壁欠損部は33×20cmで、5本の多孔性チタンプレートと胸腔側にデュアルメッシュ、皮下組織側にプロリーンメッシュを縫い込んで胸壁再建材料とし、メッシュ部と骨組織を非吸収糸で固定した。病理所見で腫瘍中央に粗大な壊死を伴い、壁側胸膜浸潤を認めた。術後の胸壁動揺は軽微で呼吸器合併症なく術後20日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016