発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007150039
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70歳男。右背部腫瘍摘出術を近医で受け悪性線維性組織球腫(MFH)と診断された。6ヵ月後同位部に再発し(1回再発)当院へ紹介された。腫瘍摘除術を施行したが4ヵ月後に同部位に再発(2回目再発)を認め、広範囲腫瘍摘出術目的に入院した。境界は比較的明瞭で周囲の浸潤は認めず、腫瘍縁から1cm離して摘出するも迅速診断で断端陽性より、さらに4cm離し広背筋の一部を含め追加切除を行った。病理所見より、MFH(多形型)と診断された。3回目再発で第9肋骨および周囲骨膜への浸潤を認め、腫瘍縁から3cm離して第9、10肋骨の合併切除と胸壁再建を行った。4回目再発で第8肋骨への浸潤を認め、腫瘍縁から2cm離して第8、9肋骨を合併切除し前回同様に胸壁再建を行い、術後放射線照射とシスプラチンの動注を追加した。5回目再発で肋骨および周辺組織への浸潤を認め、辺縁から2cm離して第11、12肋骨を合併切除し、術後にCYVADIC療法を1クール行った。MFHは局所再発率が高く予後不良な腫瘍であるが以後は再発なく、初回手術より9年5ヵ月、最終手術から4年9ヵ月後現在無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007