発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013124375
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26歳女性。3歳時に二次孔欠損型心房中隔欠損に対する修復術の既往があった。今回、妊娠24週の心エコー検査にて心房中隔欠損症と肺高血圧が指摘され、前置胎盤があることから妊娠29週1日目に帝王切開を行ない女児を出産、3ヵ月目に心臓の精査目的で著者らの施設へ入院となった。経胸壁心エコーにて下位静脈洞型心房中隔欠損症と診断され、治療は再開心術であり、癒着が懸念されたため、あらかじめ右総大腿動静脈を露出し、胸骨正中切開した。また、下大静脈および肝静脈の騎乗がみられたことから肝静脈と下大肺動脈の背側をパッチの下縁とし、右側壁を右下肺動脈と下大静脈に分離するようにパッチ外側縁にしてパッチ形成術が行われた。その結果、肺高血圧は改善し、遺残短絡もなく、患者は術後21日目に軽快退院となった。
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