発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055340
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症例1は31歳男で,パラグライダー飛行中に墜落して近医に救急搬送された.L1・L2圧迫骨折・左胸水を認め,胸部CTにて胸部大動脈の瘤様変化・縦隔血腫を認めたため,受傷5時間後に紹介転院となった.来院時,血行動態は安定しており,受傷23日目に大腿静脈脱血・大腿動脈送血による部分体外循環下に瘤の前後で大動脈を遮断し切開すると小彎側に約3分の1周にわたる裂孔を認めた.この部分を切除して人工血管置換し,術後5週に整形外科にて腰椎後方固定術を施行した.症例2は25歳男で,自動車事故にて救急搬送され,来院時には呼吸困難・腹部圧痛・筋性防御を認め,胸部X線で左肋骨骨折・左胸水貯留を,胸部CTで縦隔血腫と下行大動脈の瘤様変化を,腹部CTで腸間膜血腫と腹水貯留を認めた.受傷3日目に結腸部分切除・人工肛門造設術施行後,受傷27日目に左鎖骨下動脈分岐部より約2.5cm末梢の下行大動脈に認めた仮性瘤を含む大動脈を切除して人工血管置換し,術後7週に人工肛門閉鎖術を施行した
©Nankodo Co., Ltd., 2004