発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005055341
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78歳女.肺炎罹患時に施行した胸部CTにて右中葉のすりガラス状陰影(GGO)を指摘され呼吸器内科へ紹介となった.胸部CTでは左右の下葉と左舌区に肺炎の淡い陰影を認め,右S4に15×12mmのGGOを認め,内部は一部が不均一であった.肺炎治療後にGGOの評価を行ったが,気管支鏡検査では可視範囲に異常はなく,経気管支肺生検で採取した組織は正常であった.3ヵ月の経過観察後のCTでも陰影の縮小傾向がなかったためマルチスライスヘリカルCTの撮像データから仮想気管支鏡を作成してCTガイド下気管支鏡検査を施行した.仮想気管支鏡で作成したイメージに基づき極細径気管支鏡用生検鉗子を陰影部まで到達させ生検を行ったところ異型腺腫様過形成または肺胞上皮癌が疑われた.胸腔鏡併用中葉切除術を施行し,切除標本の病理組織学的所見にて原発性肺癌と診断された.以上より,GGO主体の肺癌症例において仮想気管支鏡と極細径気管支鏡によるCTガイド下肺生検は有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004