発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016323944
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15歳男。背部の鋭的外傷により胸部下行大動脈損傷をきたした。胸部ステントグラフト内挿術を安全に施行することができたが、施行するにあたり、若年者に特有の「小口径の大動脈」に注意が必要であった。本例の大動脈内径は15mmであり、当院で使用可能なGore TAGの最小径(26mm)に適する大動脈径23~24mmより明らかに細かった。そのため、腹部大動脈ステントグラフトであるExcluderのaortic extension 23×33mmを使用した。術後、右下肢麻痺は残存したが、左下肢麻痺の新たな発症はなかった。リハビリテーションを継続し、術後2ヵ月で独歩退院となった。術後2年のCTでもエンドリークやステントグラフトのcollapseはなく、留置前後の正常大動脈径16mmに対し留置部では23mmと十分な拡大が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016