発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014244263
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
60歳男。フォークリフトに胸部前後を挾まれ意識を消失した。ドクターヘリを要請し、現場で気管内挿管、両側胸腔穿刺が行われた。多発肋骨骨折、両側血気胸を伴う胸部大動脈損傷と診断した。胸腹部造影CT上、腹部臓器損傷は認めず、遠位上行および左総頸動脈-左鎖骨下動脈間の亀裂、上行から弓部にかけての大動脈周囲血腫、両側血胸および無気肺、多発肋骨骨折、胸骨骨折、広範囲皮下気腫を認めた。頭部CT上頭蓋内に病変は認めず、心臓超音波検査所見において、心臓壁運動には問題なかった。上行から弓部大動脈にかけての損傷による解離あるいは破裂を疑い、緊急手術を施行した。術後、脳神経系合併症は認めず、術翌日人工呼吸から離脱した。術後経過は順調で、術後13日目に骨折治療およびリハビリテーション目的に前医へ転院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014