発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004289043
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44歳男.地上6mの高さの木から転落し,地面に露出していた木の根に背中を強打して受傷した.胸部単純X線所見で心胸郭比(CTR)は58%で,右の第6,7肋骨の骨折と縦隔陰影の拡大を認めた.胸部CT所見で後縦隔血腫,左胸水貯留を認め,下行大動脈は左鎖骨下動脈分岐部より2cmにわたり最大径34mmに拡大し,解離のflapを認めた.三次元構築した画像でも内膜の断裂を示唆する所見を得た.以上より外傷性大動脈破裂と診断し,部分体外循環下に手術を行った.外膜を切開すると大動脈の前下方で内膜と中膜が約2/3周にわたって断裂し仮性瘤の状態となっていた.同部を中心に約4cmにわたり大動脈を管状に切除し,直径20mmの人工血管で置換した.術後経過は良好で対麻痺などの合併症も認められず,術後7日に施行した造影CTでは損傷部位は人工血管で良好に置換されていた
©Nankodo Co., Ltd., 2004