発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013004078
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症例1は52歳女性で、自動車事故で救急搬送され、外傷性胸部大動脈損傷(TAI)に加え、脳挫傷・骨盤骨折・後腹膜出血が認められた。保存的加療とし、第15病日に左鎖骨下動脈分岐直下に仮性瘤形成が認められた。第31病日に開胸術を行い、仮性瘤を切開した後、大動脈狭部内膜の1/3周断裂に対して近位下行大動脈を左鎖骨下動脈分岐直下から人工血管により置換した。術後経過良好であった。症例2は17歳女性で、転落外傷で救急搬送され、左鎖骨下動脈分岐直下の大動脈に仮性瘤を認め、血行動態が不安定で緊急手術を行った。症例1と同様の人工血管置換術を行い、大動脈狭部で1/3周ほどの内膜断裂が認められた。術後経過良好であったが、腰椎圧迫骨折による対麻痺が改善せず固定術施行後にリハビリテーションのため転院した。症例3は83歳女性で、自動車事故で受傷し、大動脈狭部仮性瘤、軽度脳挫傷、腎嚢胞破裂などが認められた。血行状態が不安定で緊急手術を選択したが、麻酔導入中に破裂し死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012