発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223319
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
42歳男.患者は交通事故で受傷し,他院で両下肢の開放性骨折に対する観血治療中にショック状態となり,受傷後24時間で搬送された.胸部CTでは上行大動脈の破裂を認めたが,後壁であり,周囲組織と肺動脈との間で仮性動脈瘤を形成していた.更に心嚢液の貯留,両側胸水が認められた.鈍的外傷による上行大動脈破裂と診断し,緊急に上行大動脈人工血管置換術を施行したところ,術後は意識障害の遷延化,酸素化不良,無尿の継続,硬膜下血腫等を認めたものの,加療により改善した.病理組織所見では,外膜に出血がみられたが,内膜および中膜には著変は認められなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005