発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004272967
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37歳男.右胸背部痛に伴って意識消失し,救急車到着時,血圧は測定不能であった.来院時,意識もうろうとし,冷汗が著明であった.検査所見では軽度の貧血と低酸素血症を認めた.胸部X線像で右胸水貯留と気管の左方偏位を認め,胸部造影CTでは造影剤の胸腔内漏出を認めた.右胸腔圧上昇による呼吸苦を訴えたため16Frトロッカーカテーテルを留置し,ウォーターシールで2,000mlの血液排出が見られた.Hb 3.8g/dlとなり,濃厚赤血球血輸血を行ったが胸部X線像でX線透過性の上昇はなく,血液貯留は増加した.手術を開始し,胸腔内に大量の血液貯留を認め,自己血回収装置で回収した.腹腔内を観察すると第3肋間静脈起始部に連続性出血を認め,結紮止血及び縫合止血を行った.出血していた第3肋間静脈に炎症等の異常はなく,又,肺及び胸壁,肺胸膜に異常は見られず,胸壁と肺胸膜に裂けた索状構造物も見られなかった.術後経過は良好であった
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