発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004272968
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
57歳女.胸背部痛を主訴に受診し,精査加療目的で入院した.胸部X線及び胸腹部造影CTで胸壁と横隔膜に接する境界明瞭な腫瘤陰影と肝脾腫を認め,確定診断目的に胸腔鏡手術を施行した.胸腔内には透明な漿液性胸水を少量認めた.病変は心膜傍脂肪織に覆われ,表面には拡張血管が存在した.摘出した腫瘤は弾性硬で,大小様々なリンパ節と脂肪組織で構成されていた.HE染色では大きな胚中心をもつ大型濾胞の発達が見られ,リンパ節構造は保たれていた.内皮細胞の腫大した血管が,胚中心を横切るように存在した.濾胞周辺に形質細胞が多数浸潤し,それらに核異型はなかった.濾胞間に脈絡が発達していた.Castleman病のplasma cell型の組織像であり,Multicentric Castleman病と診断した.胸腔ドレーン抜去後に退院したが,右胸水貯留により再入院となった.胸腔ドレナージ及び胸膜癒着術を施行し,ステロイドの内科的加療により胸水は消失した
©Nankodo Co., Ltd., 2004