発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007228165
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40歳男性。von Recklinghausen病であり、右胸背部痛が出現した。胸部X線およびCTで右胸腔内腫瘍が疑われ、紹介受診となった。胸部X線所見にて、右肺野の透過性の低下を認めた。血腫の可能性を考え、胸部造影CTを施行したところ、右胸腔内を占める不均一な陰影を認め、多くは血腫と考えられたが、腫瘍の存在は否定できなかった。また背側胸壁に造影される腫瘤陰影を認め、仮性動脈瘤と考えられた。血管造影にて右第10肋間動脈に仮性動脈瘤を認め、Gelatinにて遠位側の血管を塞栓し、近位側の血管をマイクロコイル計5個を留置し塞栓した。また胸腔内腫瘍は認めなかった。その後、第18病日に胸腔内血腫のドレナージを行い、術中約2lの凝血塊を除去した。術後第11病日に退院となり、術後2年経過現在、血胸の再発は認めていない。von Recklinghausen病患者は脆弱な血管病変を有する事があることを念頭に置き、迅速な止血処理が望まれる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007