発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166477
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20歳男.中学生時に胸部X線像で右肺野の異常陰影を指摘されたが,自覚症状もなく経過観察中であった.今回誘因なく突然呼吸困難と胸痛を自覚した.右肺音減弱,血圧低下,頻脈,顔面チアノーゼがあった.X線にて右胸腔内に多量の胸水貯留像,縦隔の左方偏位を認め,CT所見にて右肺野に大量の血液および凝血塊の存在が疑われた.以上より,血胸と診断した.急速輸液を伴い胸腔ドレーンを挿入したが循環動態は安定せずショック状態であったため,緊急手術を施行した.右上葉S2に拍動する異常血管が存在し,その血管が破綻し出血していたため,Pean鉗子にて圧迫止血後,自動切離器で部分切除した.病理組織所見では胸膜下に嚢胞状に拡張した血管腔が存在し,血管壁厚はさまざまであった.止血後,循環状態は安定し,手術所見と合わせて先天性肺動静脈瘻(PAVF)の肺動脈瘤型(2型)と診断した.術後検査で他に病変がないことを確認,残存肺にもPAVF所見を認めず,術後13日に軽快退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2005