発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012314036
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63歳男。呼吸困難と左前胸部腫瘤を主訴とした。前医で左肋骨原発骨巨細胞腫に対する動脈塞栓術がなされ、経過観察中であった。造影CTで左第8肋骨に異所性骨化や骨破壊像を伴う約11cm大の腫瘤を認め、左胸腔内に大量の胸水を認めた。肋骨原発骨巨細胞腫からの出血により血胸を併発したと考え、胸腔ドレナージで1750mlの血性胸水を排液した後に緊急手術を行った。術中、第8肋骨より発生した腫瘍を認め、腫瘍表面の血管から出血がみられた。腫瘍からの距離を十分確保するように前鋸筋、外腹斜筋、第7~9肋骨、肋骨弓および横隔膜を合併切除した。病理検査で腫瘍内外に新生血管を認めた。また、骨巨細胞腫に典型的な破骨細胞様多核巨細胞の他に紡錘形細胞の部分や反応性の骨形成の領域も広く出現し、ヘモジデリン沈着や泡沫細胞の混在、線維化など多彩な組織像を示した。悪性所見はなく、二次性変化をきたした骨巨細胞腫と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012