発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004182200
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23歳男性.患者はlipomatous hypertrophy of the interatrial septum(LHIS)の経過観察中に体動時前胸部違和感が出現し,精査加療目的で入院となった.心エコー,MRIでは心房中隔および右房後壁を中心に全周性の著しい脂肪腫塊を認め,これによる大動脈閉鎖不全(AR)を中等度認めた.心カテーテル検査では,右室造影にて右室流出路に茎を有する移動性腫瘤の主幹肺動脈への嵌頓を認めた.心房中隔生検では悪性所見は認めなかったが,腫瘍の増大によりARの増強や腫瘍塞栓の可能性が考えられたため,手術を行った.手術所見では心房中隔と右房後壁の脂肪腫をキュサーにて吸引除去後,右室流出路壁の分葉性腫瘍を切除した.病理組織学的に右室流出路の腫瘍は脂肪肉腫と診断された.術後,軽度のAR残存を認めたが,術後12ヵ月経過した現在,再発はみられない
©Nankodo Co., Ltd., 2004