発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140241
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16歳女.意識消失発作,動悸を主訴とした.小学校検診にて心電図異常を指摘されたが心エコー上特に問題はなかった.動悸,意識消失発作にて救急搬送され,胸骨左縁第2肋間に最強点を有するLevineIII/IV度の収縮期駆出性雑音を聴取したが,呼吸音は清明でチアノーゼは認めなかった.心電図上右室肥大があり,心エコー,胸部MRI検査にて右室前壁に付着し右室流出路を塞ぐように存在する有茎性腫瘍を認めた.腫瘍の性状,浸潤などの確定はできなかったが,肺への血流遮断に伴う突然死のリスクを考慮して緊急手術を施行し,肺動脈および肺動脈弁への浸潤がないことを確認した後,右房切開,経三尖弁に腫瘍を摘出した.腫瘍は病理組織学的に粘液性基質を中心として円形から星芒状細胞が小胞巣を形成しており右室粘液腫と診断された.術後は経過良好にて独歩退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2004