発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004164387
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胸腹部大動脈瘤(TAAA)75例に対する治療戦略及び手術成績を検討した.術後早期死亡は3例に認め,いずれもCrawford分類II型であった.そのうち1例は超低温循環停止下で中枢吻合を行い低心拍出量症候群(LOS)が原因で死亡し,慢性透析例1例を含む2例は大量出血が原因と思われる多臓器不全(MOS)が死因であった.脊髄障害は6例に認めたが,2例は大量出血による術中低血圧が考えられ,1例は分節遮断が不可能な症例であった.原因同定できない症例が3例あり,TAAA手術における脊髄保護の困難及び脊髄障害の原因の複雑性を暗示させるものであった
©Nankodo Co., Ltd., 2004