発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004164388
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胸腹部大動脈瘤手術例33例を対象に,脊髄障害予防における問題点について明らかにした.術前MRAを19例に行い,Adamkiewicz動脈を同定し得たのは9例で,同定率は47.4%であった.脳脊髄液ドレナージは20例に施行した.術中motor evoked potentialを20例に行い,8例に異常を認めた.術後脊髄障害は4例に認め,対麻痺3例,不全対麻痺1例であった.入院死亡は6例で,遠隔死亡1例,1年後及び4年後の生存率は76.8±8%であった.再手術を3例に行い,いずれも感染瘤例であった.TAAA手術における脊髄障害予防は概ね妥当であるが,結果は満足すべきものではない.脊髄障害は様々な因子により惹起され,予防には多方面からのアプローチが必要であり,種々の対策を統合した包括的な脊髄障害予防策の開発が望まれる
©Nankodo Co., Ltd., 2004