発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004164381
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胸腹部大動脈瘤(TAAA)例に対し術前MRAでAdamkiewicz動脈(AKA)を同定した18例をA群とし,AKAを同定していない過去の38例をB群として比較した.A群においては肋間動脈の再建はAKA部位のみとし,基本的には人工血管に側枝を立て再建するが,大動脈遮断部位に近接している場合は置換する人工血管を斜めに切離しbeveledに吻合した.B群では基本的にTh7~L2における開存している肋間動脈を全て再建した.大動脈遮断時間及び手術時間はA群で有意に短縮し,肋間動脈の再建数はA群0.8本,B群2.6本と平均両群で2本の差を認めた.在院死亡はA群で3例,B群で6例,早期死亡は各々1例と3例,対麻痺は各々0例と3例であった.A群では術後遷延する呼吸不全も減少し,グラフト感染もなく,術後合併症は激減した
©Nankodo Co., Ltd., 2004