発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140249
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1(65歳男).発熱,全身倦怠感を主訴とした.右肺異常陰影を指摘され,胸部CTにて右肺S10に腫瘍を認めた.症例2(72歳男).発熱,全身倦怠感,咳痰を主訴とした.左肺異常陰影を指摘され,胸部CTにて左肺S8に腫瘍を,腹部CTにて左副腎の腫大を認めた.両症例はWBC,CRPの著明上昇以外に異常所見はなく,胸部CTにてそれぞれ右肺S10,左肺S8に周囲が造影され内部低吸収の辺縁整の腫瘤影を認めた.また,気管支鏡検査による組織・細胞診断にて癌細胞を証明できず,症例1は右肺下葉切除術を,症例2は左副腎摘出術,左肺下葉切除術を施行した.腫瘤は組織学的に肉腫様細胞所見(紡錘形細胞,巨大多角形細胞)と多量の壊死物質および広範な組織学的壊死を認め,肺未分化肺と診断した.術後早期に左肩部(症例1)や右副腎,肝(症例2)に転移を認め,化学療法,放射線療法を行うも高度の炎症反応持続による激しい体力消耗のために治療継続が困難であり,いずれも肺切除後100日以内に死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2004