発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140248
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20歳男.発熱,咳を主訴とした.1ヵ月前から咳と発熱が出現し,精査にて非セミノーマ性肺細胞腫瘍(NSGCT)と診断された.入院時,血中AFP,HCGの異常高値を示し,胸部X線,CTにて右肺野に突出する境界明瞭な腫瘤影を認め,大血管・心嚢・右腕頭動静脈への浸潤が疑われた.NSGCTと診断し,cisplatin,etoposideによる術前化学療法を施行したところ,3クール終了後にAFPは正常化したが,胸部CTにて腫瘍陰影は増大・巨大化した.胸骨正中切開と右第4肋間前方開胸にてアプローチしたところ右肺と腫瘍の癒着,浸潤が疑われたため右肺全摘の方針となった.右肺全摘術は右第5肋間後側方開胸を行い,胸腺右葉・右肺・腫瘍・心膜をen blocに摘出した.術後経過は順調でAFPとHCGは正常化し,術後2年あまり経過した現在まで再発は認めていない.CTおよび病理組織所見から腫瘍の拡大は出血が原因と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004