発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223318
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肺葉切除術における術前後の呼吸機能を測定して切除肺葉別に評価するとともに,術後予測値との比較検討を行なった.対象は原発性肺癌に対し一葉切除,リンパ節郭清を施行した37例で,亜区域支数から求めた予測値,CTによる肺葉容積比から求めた予測値,実際の術前後値を比較した.その結果,FEV 1.0の術後予測値を亜区域支数で求めると,左右ともに上葉切除ではほぼ一致したが,左右とも下葉切除では過大評価となった.肺葉容積比で求めたFEV 1.0の術後予測値でも,同様の結果であった.VCの術後予測値を亜区域支数で求めると,左右ともに上葉切除ではほぼ一致したが,左右とも下葉切除では過大評価となった.しかし,VCの術後予測値を肺容積比で求めると,右下葉,左上葉でほぼ一致し,右上葉,左下葉で過大評価となった.下葉切除では亜区域支数による予測値の約10%を上回るFEV 1.0とVCが期待できるが,上葉切除では予測値とほぼ同等であることが明らかになった
©Nankodo Co., Ltd., 2005