発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296145
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22歳女。左側頭部に拍動性頭痛、頸部圧迫感から近医にて片頭痛と診断されていたが、症状の増悪と顔面腫脹で当院紹介となった。右上肢浮腫、右外頸静脈軽度怒張、胸壁血管拡張、腫瘍マーカーAFPの上昇を認めた。胸部X線で上縦隔陰影の拡大、CTで上大静脈は完全に閉塞され孤立性の左肋骨転移、肝転移、多発性肺転移を認めた。穿刺生検で非セミノーマ胚細胞性腫瘍、IGCC分類poor prognosis群と診断した。BEP療法を主体にPBSCTを併用した超大量化学療法を施行し、血中AFPは正常値に低下した。化学療法後縦隔腫瘍は縮小し肺内多発転移は消失したが、縦隔内と上大静脈内に腫瘍の残存と肺内間質性陰影の増強を認めた。上大静脈を切除して人工血管再建術を行い、縦隔腫瘍を完全切除した。病理所見より縦隔腫瘍は全て壊死し腫瘍の残存は認めず上大静脈内の腫瘍様塞栓物も壊死していた。術後6ヵ月のFDG-PETで病的陽性集積は認めず、12ヵ月無再発生存中であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009