発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015363213
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26歳男。呼吸苦、左肩痛を自覚し、1ヵ月後の検診にて胸部異常陰影を指摘されたため、当院内科を受診した。初診時胸部単純X線では縦隔陰影の拡大を認め、造影CTでは前縦隔に最大径13cmの腫瘤と両側縦隔肺門リンパ節腫脹を認め、CTガイド下生検の結果、縦隔原発非セミノーマ性胚細胞腫瘍と診断した。BEP療法を4コース施行し、腫瘍は著明に縮小したが、両側縦隔肺門リンパ節腫脹には変化がみられなかった。PET-CTでは遺残腫瘍にFDG集積は認めなかったが、両側縦隔肺門リンパ節には異常集積を認め、胸腔鏡下縦隔リンパ節生検を施行した。病理組織所見および臨床経過から、サルコイド様反応によるリンパ節腫脹と診断し、遺残腫瘍摘出術を施行した。術後経過は良好で、術後8日目に退院し、現在、無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015