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特集 目で見て学ぶ脊髄・末梢神経疾患の診察法(動画付き)
第3章 特徴的な手足の徴候
ALSと脊椎脊髄疾患の鑑別に役立つ手足の症候
Symptoms and Signs that are Useful for Differentiating between ALS and Spinal Disorders
園生 雅弘
1,2
Masahiro SONOO
1,2
1帝京大学医療技術学部
2帝京大学医学部脳神経内科
1Faculty of Medical Technology, Teikyo University
2Department of Neurology, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症
,
amyotrophic lateral sclerosis
,
選択的筋障害
,
selective involvement
,
頸椎症性筋萎縮症
,
cervical spondylotic amyotrophy
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症
,
amyotrophic lateral sclerosis
,
選択的筋障害
,
selective involvement
,
頸椎症性筋萎縮症
,
cervical spondylotic amyotrophy
pp.917-925
発行日 2024年1月19日
Published Date 2024/1/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202223
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ALSと脊椎手術
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と脊椎脊髄疾患の鑑別に役立つ手足の症候というのが与えられたテーマである.動画の提供が望まれているが,患者の同意面などでなかなか難しく,本稿では図などによる説明を主体とする.
ALSと脊椎脊髄疾患との鑑別が重要な大きな理由として,ALSにおける脊椎脊髄手術の問題がある.海外の検討では,ALS患者の4〜6%で不適切な脊椎手術が行われていたとされている5,34,39).脳神経内科医(neurologist)以外が最初に診療した例に多いとされており,脳神経内科医へ速やかに紹介されることが重要と強調されている5).日本ではこの点どうだろうか? 脳神経内科が基本領域でなく,上下肢の運動症状の患者が整形外科・脳神経外科にかかる確率が高い日本では,ALS患者が脊椎手術を受けてしまう機会も多い可能性がある.現に日本からの報告では,比較的少数例(63例)についての検討ではあるが,6例(10%)で脊椎手術が行われていたとされている38).
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