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特集 運動制御の神経生理・機能解剖update—大脳,小脳,脊髄の連関
ALSにおける選択的筋障害—上位運動ニューロンとの関係
Selective Muscle Involvement in ALS: The Relationship with Upper Motor Neuron
濵田 雄一
1,2
,
園生 雅弘
1
Yuichi HAMADA
1,2
,
Masahiro SONOO
1
1住友病院脳神経内科
2帝京大学病院脳神経内科
1Department of Neurology, Sumitomo Hospital
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症
,
amyotrophic lateral sclerosis
,
選択的筋障害
,
selective muscle involvement
,
上位運動ニューロン
,
upper motor neuron
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症
,
amyotrophic lateral sclerosis
,
選択的筋障害
,
selective muscle involvement
,
上位運動ニューロン
,
upper motor neuron
pp.419-423
発行日 2022年11月28日
Published Date 2022/11/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201869
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はじめに
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は,上位運動ニューロン(upper motor neuron:UMN)と下位運動ニューロン(lower motor neuron:LMN)が障害され,全身の筋萎縮・筋力低下が亜急性に進行し,最終的には呼吸筋を含む全身の麻痺に至る予後不良の疾患である.眼球運動が障害されづらいなどの特徴があるが,四肢の筋障害の進行も一様ではなく,さまざまな選択的筋障害が存在することが報告されている.
ALSにおける筋力低下の主因がLMNにあることは,筋萎縮を伴うこと,針筋電図でも脱神経が認められることなどから明確だが,このような選択性をもたらす原因はUMN側にあるのではという考えがある.これは,ALSはUMN障害から進展するという後述のdying forward仮説とも関連する.「運動制御の神経生理・機能解剖—大脳,小脳,脊髄の連関」という本特集のテーマにもこの問題は関係すると思われるので,これに関する過去の研究とともに本稿で紹介したい.
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