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English
特集 目で見て学ぶ脊髄・末梢神経疾患の診察法(動画付き)
第5章 関節疾患
肩関節疾患
Differentiating Cervical Spine and Shoulder Diseases
設楽 仁
1
Hitoshi SHITARA
1
1群馬大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Gunma University
キーワード:
鑑別疾患
,
differential diseases
,
腱板断裂
,
rotator cuff tear
,
頸椎症性筋萎縮症
,
cervical spondylotic amyotrophy
Keyword:
鑑別疾患
,
differential diseases
,
腱板断裂
,
rotator cuff tear
,
頸椎症性筋萎縮症
,
cervical spondylotic amyotrophy
pp.940-950
発行日 2024年1月19日
Published Date 2024/1/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202228
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はじめに
頸椎・頸髄や肩関節の病態による痛みや機能障害の原因を鑑別することは,多くの患者において臨床上の難しい課題となっている1).
疼痛を伴う疾患では,患者の訴える疼痛の領域が,医師の判断を惑わせることもしばしばある.たとえば,肩から前腕外側まで広がる疼痛,ときにはしびれを主訴として来院される症例では,ときに注意が必要である.頸椎症性神経根症を念頭に頸部の理学所見や画像検査を行うが,診断に至らず,対症療法的に経過観察されてしまう場合があり,肩関節疾患の診断を見逃してしまうことがある.また,肩関節の挙上障害を主訴とする疾患として,麻痺性(頸髄,神経根,腕神経叢,末梢神経障害に起因する)と偽性麻痺を鑑別する必要があるが,高齢者ではしばしば両者が合併することがあり,判断に迷うことがある.本稿では,これらの疼痛や機能障害を主訴とする肩関節の主要疾患を提示し,頸椎・頸髄疾患との鑑別のポイントについても解説する.
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