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特集 脊椎脊髄外科における最新の超音波診断
頸椎椎弓形成術後における脊髄の評価—経皮的超音波検査を用いて
Percutaneous Ultrasonographic Evaluation of the Spinal Cord after Cervical Laminoplasty
中矢 良治
1
,
羽山 祥生
1
,
根尾 昌志
1
Yoshiharu NAKAYA
1
,
Sachio HAYAMA
1
,
Masashi NEO
1
1大阪医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka Medical College
キーワード:
超音波検査
,
ultrasonography
,
頸椎椎弓形成術
,
cervical laminoplasty
,
脊髄
,
spinal cord
Keyword:
超音波検査
,
ultrasonography
,
頸椎椎弓形成術
,
cervical laminoplasty
,
脊髄
,
spinal cord
pp.583-589
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201427
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はじめに
超音波検査は非侵襲的であり,簡便に施行できる検査として,頸椎疾患の治療においても用いられてきた.特に,頸椎椎弓形成術の術中において,椎弓を開大した後の脊髄の除圧状況を評価することに用いられ,その有効性が報告されてきた3,4,6,7,10,11).しかし,術後においては,脊髄の評価は術前と同様,MRIでの評価が一般的であり,超音波検査による評価はあまり行われてこなかった.後方除圧手術に限ると,その理由の1つに,一般的なプレートやスペーサーを用いた椎弓形成術(片開き,両開き)では脊髄後方にインプラントや骨成分が存在するために,超音波検査では脊髄の状態が確認できないことが挙げられる.
当施設では,スーチャーアンカーを用いた頸椎椎弓形成術を行ってきた.この術式は通常の椎弓形成術と比べると,インプラント設置に伴う脊髄後方での手術操作がないため,より安全であり,かつ手術手技が簡便である2,8).また,この術式では脊髄後方に硬性成分がなくなるため,術後でも経皮的な超音波検査(percutaneous ultrasonography:PUS)で脊髄の状態が確認できる5,9)(図1).
当施設ではスーチャーアンカーを用いた頸椎椎弓形成術の術中,術後に超音波検査を施行し,いくつかの研究を行ってきた.本稿では,それらから得られた知見をまとめて報告する.
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