Japanese
English
臨床経験
頸椎椎弓切除後に発生したpseudomeningoceleについて—typeの異なった2自験例を中心に
Pseudomeningocele following Cervical Laminectomy: report of 2 cases
吉田 宗人
1
,
柴崎 啓一
1
,
大谷 清
1
Munehito Yoshida
1
1国立療養所村山病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Murayama Hospital
キーワード:
偽性髄膜嚢腫
,
pseudomeningocele
,
頸椎椎弓切除
,
cervical laminectomy
,
脊髄症
,
myelopathy
,
髄液
,
CSF
,
脊髄
,
spinal cord
Keyword:
偽性髄膜嚢腫
,
pseudomeningocele
,
頸椎椎弓切除
,
cervical laminectomy
,
脊髄症
,
myelopathy
,
髄液
,
CSF
,
脊髄
,
spinal cord
pp.713-720
発行日 1986年6月25日
Published Date 1986/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907434
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抄録:Postoperative pseudomeningoceleは,椎弓切除の合併症の1つであるが,頸椎に発症した報告は少ない.自験例2例と文献例を合わせて検討した.症例Iは,頸椎OPLLで,椎弓切除を受け,約2年3カ月後に脊髄症の増悪をみた.症例IIは,頸髄腫瘍の疑いで椎弓切除を受け,術後頑固な頸部痛,頭痛を訴えた,文献例を含め,臨床像を検討すると,硬膜刺激症状としての頭痛,失神発作が多く,又,術後,原因不明の発熱が髄流貯留を疑わせしめる所見といえた.診断には,CTが有用であった.Cystは,茎の有無により2型に分類できた.手術法も異なり,type IIはcystの切除をするが,type Iは前壁のクモ膜を切除し,cystを縫縮した.
頸椎後方手術後の悪化例を少なからず経験するが,こうした原因の一つとして,硬膜欠損があれば本疾患は稀ではないと思われ,注意深い経過観察と適切な診断が,術後成績の向上につながる.
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