--------------------
編集後記
江藤 文夫
pp.1256
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202300
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
COVID-19パンデミックは容易には終息しそうにないが,かつてコレラの大流行が「公衆衛生の母」と呼ばれたように,医学の新たな発展を期待することはできる.今回の不安感増大では情報の氾濫による心理的パニックも要因として挙げられた.個人が健康のリテラシーを高める努力も求められている.
さて今月の特集は「ICFと作業療法」である.「障害に関する世界報告書(2011)」では編纂の概念的枠組みとしてICFを採用し,ICFについて環境因子への新たなる強調として紹介している.ICIDHは障害の分類を目指した最初の国際的取り組みであり,あらためて障害とは何かが問われることとなったが,わが国では関心がもともと乏しかったかもしれない.ICFの刊行に合わせて国際的には障害の定義と計測法が議論されてきたが,環境についても環境計測の作業チームが国連関連の有志団体のようにして立ち上げられた.環境の本質は多面的であり,参加の促進因子として,あるいは阻害因子として識別することの重要性が強調され,環境の計測についても今後の課題として興味深いものである.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.