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編集後記
江藤 文夫
pp.520
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201708
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2012年(平成24年)に制定された障害者総合支援法は,3年後に見直しを行うことが定められていた.そこで見直しに伴い,2016年(平成28年)5月に改正され,2018年(平成30年)4月1日施行となった.その改正法は児童福祉法の一部改正を伴い,「医療的ケアを要する障害児が適切な支援を受けられるよう,自治体において保健・医療・福祉等の連携促進に努めるものとする」とあり,この項目については公布日(2016年6月3日)から施行することとされた.
約25年前にNICUの回診を始めたころ,未熟児の肺サーファクタントの実情を知って暗い想いを抱いたものである.現在では対応技術が発達したが,医療的ケア児の中で呼吸管理を要する児の比率は高い.在宅酸素療法,経管栄養,吸引等の関連する医療的ケアを含め,最近になってクローズアップされた課題ではないことに気づかれる.前記法改正により,報酬改定を含めて保健,保育,教育関係での医療的ケア児への支援体制整備が推進されてきた.明治以来,万事縦割り行政と制度に依存してきた医療と福祉の背景を想うと,法整備に伴って今後は急速に医療的ケア児や重症心身障害児者全般にとって,在宅で,さらに地域での支援サービスの充実が期待できるであろう.
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