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編集後記
江藤 文夫
pp.656
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203418
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難病とは何を指すのであろうか.わが国では1972年(昭和47年)の「難病対策要綱」で定義されて以来,さまざまな行政施策がなされてきた.2015年(平成27年)の「難病法」(難病の患者に対する医療等に関する法律)では,医療費助成の対象となる疾患を指定難病と呼ぶ.2021年(令和3年)末段階で338疾患があり,その約25%を神経・筋疾患が占める.その中で特定医療費受給者証所持者数をみると,パーキンソン病が潰瘍性大腸炎と並んで最も多い.
病人の治療(treatment)では,疾患への対応として日常生活への影響・困難度により重症度を分類することが20世紀半ば以降に普及し,疾患の管理とともに生活支援が治療として意識されるようになった.神経疾患ではパーキンソン病において薬物療法が可能となり,1960年代にレボドパの効果の評価でHoehn & Yahrの5段階重症度分類が考案された.その3度から日常生活への影響が明らかとなり,治療では薬物療法に加えて日常生活での支援に係る専門職の参加が有用性を発揮した.
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