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編集後記
竹内 さをり
pp.1204
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201899
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本誌はこれまで「認知症」に関して毎年必ず特集を組み,予防期から重度者へのかかわりに至るまで,認知症支援におけるOTの可能性をさまざまな視点でお伝えしてきた.今回は,在宅で認知症の方がその人らしく暮らしていける支援のためにOTがもつべき視点について,多方面の切り口でお伝えいただいた.
コラムでも述べたが,私自身,OTでありながら軽度認知障害の母の状態をどのように捉え,支援するのかとても悩んだ.しかし,今回の内容から,気に留めて母の状態をみて,かかわっていこうと思うキーワードを見いだすことができた.そのキーワードは,「通いの場」,「参加」,「生活リズム」,「工程の障害」,「生活をみる」である.母の状態を考えると,「通いの場」,「参加」については,数年前よりも外出機会が減っているが,毎日の買い物や週に1回の体操教室参加は継続している.また,「生活リズム」については,記憶障害の影響もあり,行き当たりばったりで行動するため以前のように多くの作業をしなくなり,のんびりでぼんやり過ごす時間が増えた.これらの状態が母にとって適切かどうかを悩んでいたが,現状よりも低下しないように維持するという見方でかかわりたいと感じた.さらに,「工程の障害」については,生活行為の困難が生じる内容,理由について“なるほど”,“そうそう”と思うことばかりであり,視点の定め方を学ぶ機会となった.
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