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編集後記
中村 春基
pp.1000
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201431
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歴史は動いている.日本作業療法士協会平成30年度定時総会において,協会が定める作業療法の定義が「作業療法は,人々の健康と幸福を促進するために,医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,作業に焦点を当てた治療,指導,援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す」と改定された.この間,多くの関係者から驚きや称賛,疑問等が寄せられた.印象はさまざまであるが,世界に通用する定義だと確信している.今後は本定義を柱に,作業療法がますます国民の身近に存在し,活用していただけるようにしていきたい.
さて,本特集は「今,作業療法室でできること」である.この背景には,人,作業,環境にアプローチするOTの構造を鑑み,あらためて「環境」を見直し,作業療法を再考することがある.そのような意味で,山本,坂田,松本ら,早坂各氏の報告は,示唆に富んだ内容である.また,木下のスマートリハ室の報告は近未来の治療環境を考えるうえで参考となる.茂木の利用者の期待と視点は,一貫した作業療法の大切さを事例の言葉を借りてリアルに表現している.中間らの「リハビリテーション室を考える」は,病院そのものの構造がいかにあるべきかを紹介し,視点を広くする.
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