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はじめに
団塊の世代が後期高齢期に入る2025年にかけて,75歳以上高齢者(後期高齢者)の急増が予想されている1).
後期高齢者は,医療・介護サービス,見守り等の生活支援,住まいの確保等,日常生活を安心・安全に送るうえでのさまざまな支援を必要とするため,これらサービスや支援が,日常生活圏域の中で包括的・継続的に提供される仕組み,いわゆる地域包括ケアシステムの構築が,現在,重要な政策課題となっている2).
同システムを実現するためには,まず,「必要な医療・介護・生活支援サービスを量的・質的に確保すること」も重要となるが,それと併せて,有限なる資源(専門的ケア,インフォーマルケア等)を有効活用しながら,本人が抱える生活課題を解決し,自立した生活を送ることを支援するための「マネジメント」の質も重要となる.2015年度(平成27年度)の介護報酬改定で,生活期リハに対するマネジメントの機能強化が打ち出されたが3),これは,訪問・通所リハ計画(個別援助計画)を策定しているリハ職のマネジメント力の強化を図ったものと理解する必要がある.
さて,本稿の目的は,医療や介護に携わられるOTの方に,マネジメントとは何か,どのような手法か,リハマネジメントでは何が期待されているのか等を理解してもらうことにある.
そこで,本稿では,マネジメントの一般的な意味について,まず解説する.次に,介護保険下におけるケアマネジメントの目的・構造とその方法論,ならびに個別援助計画(訪問リハ計画,通所リハ計画等)の役割について解説する.最後に,生活期リハマネジメントの対象や目的を整理したうえで,生活行為向上マネジメントの実践の意義について私見を述べる.
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