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特集 認知症の人が地域で継続して生活するためのエビデンスを探る
—地域で継続して生活するために—介護認定調査からみた認知症者のADL・BPSDの実態と介入
The ADL and BPSD of people with dementia surveyed for long-term care insurance certification
丸田 道雄
1,2
,
田平 隆行
2
,
川越 雅弘
3
Michio Maruta
1,2
,
Takayuki Tabira
2
,
Masahiro Kawagoe
3
1大勝病院
2鹿児島大学大学院
3埼玉県立大学大学院
pp.1135-1140
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201877
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Key Questions
Q1:要介護認定認知症者の生活行為の特徴と支援とは?
Q2:要介護認定認知症者のBPSDの特徴と支援とは?
Q3:認知症高齢者に対する介護保険サービスの現状と効果的な利用とは?
はじめに
2000年(平成12年)に介護保険制度が施行されて以来,要介護認定者数は増加しており,2019年(令和元年)には659万人となっている1).要介護認定者のうち,認知症高齢者の日常生活自立度(認知症自立度)Ⅱ以上の認知症高齢者が占める割合は約6割となっており,われわれが介護認定調査データの解析を協力させていただいているA市でも同様の傾向である(図 1).
介護が必要となった原因では,認知症が18.7%と最も多く,認知症は介護度悪化の関連要因でもある.また,認知症の行動・心理症状(BPSD)は,認知症者自身の予後不良因子となり2),介護負担や早期の施設入所との関連が報告されている3,4).A市における7年間の在宅生活の継続率は,非認知症者と比べて認知症者で明らかに低い割合であった(図 2).介護保険を利用する認知症高齢者が地域で継続して生活するためには,要介護認定者における認知症者のADLやBPSDの実態を知ることが重要である.また,科学的裏づけに基づく介護が求められており,介護保険に関する大規模なデータの活用は重要である.
本稿では,先行研究を踏まえ,これまでわれわれがA市の介護認定調査から分析した認知症者のADLやBPSD,介護保険サービスに関する内容を中心に述べる.
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