連載 クリニカルクラークシップに基づく作業療法臨床教育の実際・第2回
作業療法臨床教育での実際の指導方法論
小林 幸治
1
Koji Kobayashi
1
1目白大学
pp.1204-1212
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200414
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はじめに
前回は,作業療法の臨床教育にクリニカルクラークシップ(CCS)を導入する必要性や,そこで考えなくてはならない課題が論じられました.今回はCCSに基づいた作業療法臨床教育での具体的な指導方法論を述べていきます.実際の学生への指導例やモデルとなる臨床教育者(clinical educator:CE)の指導方法や,現在筆者の所属大学作業療法学科で進めているCCSに基づく臨床教育を前進するための取り組みについて紹介します.
筆者はこの大学に着任し,はじめてCCSを知りました.臨床で学生指導をしたときは,まったくの症例基盤型(従来型)でした.レポート添削を繰り直すと学生も自分も疲弊しました.病院で新人指導に力を注がなくてはならなくなった際,OTが作業療法を行う力を身につけていくプロセスを段階的に表す必要があると考え,当時5年目以上の同僚と,新人に身につけさせたい指導項目リストをつくり,1〜2年目の人の指導に使いましたが,後にこれはCCSチェックリストと同じものであると知りました.そうした経緯もあり,この方法論を現在の作業療法の臨床教育に定着させなくてはならない,という強い思いを抱くに至りました.
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