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特集 10年後に活躍できるOTを育成する—未来に向かう養成校教育
—作業療法士のための教育方法論②—教育の環境をいかに整えるか
Occupational therapy education method: continuous improvement of University environment
紀國谷 恵子
1
,
佐藤 善久
1
Keiko Kinokuniya
1
,
Yoshihisa Sato
1
1東北福祉大学
pp.543-548
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201717
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Key Questions
Q1:ICTの進化に伴いOTの教育環境をいかに対応させるか?
Q2:教育環境を整備するため,学内・外とどう連携するか?
Q3:10年後に活躍できるOTが育つ環境とは?
はじめに
学校の授業というと,学生全員が静かな教室に集まり,同じ紙の教科書を開き,その視線は教員や黒板に集中する……という風景をイメージされる方も多いのではないだろうか.しかしながら,社会の変化に対応し,今後,学びの環境がますます大きな変化を遂げていくであろうことは想像に難くない.
インターネットやマルチメディアの普及を例にとれば,e-learningが導入される等,すでに技術の進化が学習環境に影響しつつある.さらに,現在OT養成校に在籍する学生の多くは,生まれたときからパソコンやインターネットが身近にあった「デジタルネイティブ」である.この世代は,電気,ガス,水道等のライフラインと並んでインターネットの存在を認識し,コミュニケーションの方法がそれまでの世代と異なると感じられることもある.
東北福祉大学(以下,本学)は,教育の重要な要素として,物理的学習環境(教室やキャンパス)とともにICTの活用を含む学生の教育環境の影響を意識し,整備してきた.本稿では,その中でもアクティブ・ラーニングにつながり得る,アフォードされる特徴的な物的,人的環境と学内外の連携を紹介する.養成校は“10年後に活躍できるOT”をどのような環境で育成していくのか,考えるきっかけとしていただければ幸いである.
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