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Key Questions
Q1:臨床教育者に求められるスキルとは?
Q2:臨床実習で求められる視点を学内教育からつなげるには?
Q3:これからの身体領域作業療法実習に求められることとは?
養成校の側から描くビジョン
後半の臨床側で小岩氏も触れているように,身体領域の作業療法教育(学内教育も臨床実習も)は変わらなくてはならない.筆者が,ある回復期リハ病院のOTたちと1年間,継続的な研修を行って,その研修に参加したOTが気づいたこと1)は,「対象者理解を深める」,「対象者の個別性に応じた作業を活用する」,「退院後の生活をより具体的にイメージする」,「社会的交流の機会を検討する」といったことだった.これは,生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)が身体領域作業療法に投げかけたことと共通する.また,筆者は以前,約3年間地域ケア会議の外部助言者として,対象者の主疾患の経過,合併症,身体能力や認知精神機能,生活の様子,生活環境,社会交流状況等を把握し,本人と家族が解決したい生活課題を推察して助言していた.その場で資料を読み込み,端的に助言を行うことが求められるが,そのときは,知識を示すよりも根拠に基づく考え方(専門性に基づく視点)が重要だと感じた.
最近の教科書2)に,身体障害作業療法には比較的ゆっくりとプログラムを考えられる「マネジメント型プロセス」と,状況に応じて即座に介入内容を決める「エンゲージメント型プロセス」とがあると示されている.そしてOTは,これらを対象者のニーズやT(時間)P(場所)O(場合)に合わせて効果的に使い分ける必要があると書かれている.身体機能への治療実技ばかりに意識がいくような教え方をやめて,こうした実践の考え方を,対象者への作業療法を通して,学生と話し合いながら伝えて育てていかなくてはならない.以下に具体的なポイントを提示する.
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