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特集 これからの作業療法士を育てる臨床教育
—これからの作業療法臨床実習—地域領域における取り組みと展望
Future of occupational therapy clinical training vision: community health care field
小林 幸治
1
,
佐藤 純
2
Koji Kobayashi
1
,
Jun Sato
2
1目白大学
2介護老人保健施設花水木
pp.650-657
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202149
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Key Questions
Q1:教育側が地域実習に求める経験や学びの内容は?
Q2:幅広い作業療法を実感してもらい,作業療法の視野を広げてもらうにはどうしたらよいか?
Q3:地域実習での学びを効果的に支援する方法とは?
養成校の側から描くビジョン
筆者は現在,地域領域臨床実習(以下,地域実習)に関して2点,気がかりなことがある.1点目は2020年(令和2年)4月に施行された新しい「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」における地域実習の位置づけ,2点目は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い,今年度地域実習の実施がかなり厳しい状況となっていることである.
1点目について,新しい指定規則では通所リハ施設または訪問リハ施設で1単位以上の実習を行うことが定められた1).ただ,見学・評価・総合臨床実習の区別はあるが,これらの施設における実習の規定は特にない.一般には,これらの施設で行う実習を「地域実習」と称することが多い.しかし,これらの施設に限定してしまって,作業療法臨床実習における本来的な地域実習が行えるのか,危惧している.
2点目について,今年度,学外実習の中止は全国の養成校に広がっている.あらためて,地域実習で学生に学ばせたい内容,学習目標は何かを明確にしておかなくてはならない.学外実習が困難となった場合に,代替手段である学内実習で何を行うべきか,ゼロからの問いに答えなくてはならない.この2点を考えながら以下に述べる.
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